- 手根管症候群にどんな治療法があるの?
- すぐに手根管症候群は良くなるの?
あなたはこのように思われたことはありませんか?
今回は手根管症候群の治療法についてお話をしていきます。
まずはじめに手根管症候群についての説明からお伝えしていきます。
是非、参考にしてみてくださいね。
手根管症候群とは?
手根管症候群とは、手のシビレや違和感を感じてから病院へ受診する方が多いです。
手根管とは、手首にある骨と手根靭帯に囲まれた空間をいいます。
その手根管にある空間を通っているのが正中神経です。この正中神経がその手根管内で、何らかの原因によって圧迫されると、手根管症候群を引き起こします。
一般的な原因とは?
- リウマチ
- 糖尿病
- 手の使い過ぎ
- 自己免疫疾患
- 甲状腺機能低下症(橋本病)
などと言われています。
上記のように自己免疫疾患では、免疫系が自らの細胞を攻撃することで、体のいたるところに炎症が起きて、それが手根管内の異常に関係すると考えられます。
糖尿病や甲状腺機能低下症(橋本病)は、血液やリンパの流れに支障をきたしてむくみが悪化してしまいます。そのため、手根管の内圧が高くなり手根管症候群を引き起こしやすくなります。
手根管症候群の原因とは?
骨の動きが悪い
手根管症候群になっている方の多くは、手首周辺にある骨の動きが悪くなっています。
手と指には27個の骨が存在していて、手を使うときにはこの骨が歯車のように上手く回ることで負担をかけずにスムーズな動きになっています。
しかし、手根管症候群の方はその歯車が上手に回らないことで症状を引き起こしています。
手根管症候群になってしまうと、この骨の動きに制限がかかってしまい動かなくなってしまいます。その制限を解除できなければ、ばね指は治らないです。
ホルモンバランスの乱れ
手根管症候群がどうしてホルモンと関係していること言うと、ホルモンが腱を柔らかくしてくれるからです。
妊娠や更年期障害によるホルモンバランスの乱れも原因となることがあります。
比較的女性に多く、特に更年期や妊娠や出産にともなって症状が出やすいことから、女性ホルモンとの関連が考えられています。
女性ホルモンが乱れることによって手の腱鞘(腱が通る管)がむくみ、その状態が手の神経を圧迫することで症状が出るとされています。
特に親指から薬指を支配下に置く正中神経と呼ばれる神経が圧迫されます。手を酷使する仕事やスポーツでも同様の理由から、症状が引き起こされることがあります。
なので、ホルモンの分泌を促すために内臓の働きをよくすることやホルモンを分泌する指令を出している脳の働きを改善する必要があるのです。
間違った 手・指の使い方
手根管症候群になる方の多くが、手・指の使い方を間違えています。
仕事で手をよく使う人、最近ではパソコンでのデスクワークの人にも多くみられるようになっています。
このように手をよく使うひとにみられる手の使い方が手首の角度が大きいのが特徴です。手首の角度が大きくなってしまうと手首にかかってくる負担が大きくなり、パソコンなどを長時間していると負担が蓄積されてしまいます。
このような使い方をしていると筋肉や船が自然とねじれてしまい、さらに負担が積み重なっていきます。
間違った使い方にって手根管症候群を引き起こしてしまいます。
また、一度治ったとしても間違った状態を繰り返していると再発にもつながってきます。
次の手根管症候群の症状や特徴をよく把握して、正しい治療法を実践していきましょう。
手根管症候群の症状~特徴~
手根管症候群には、特徴的な症状がみられます。
- 朝方・夜中になると症状が強く出る
- 異常感覚
- シビレ
- 親指から薬指にかけての症状
- 症状が軽減または悪化する動作がある
- 筋力低下
これらを詳しくお伝えしていきますね。
1.朝方・夜中になると症状が強く出る
手根管症候群の痛みやシビレしびれなどの症状は1日中感じるというわけではありません。
手根管症候群の症状は朝方・夜中になると強くなることが多く、朝起きたと同じタイミングで手の痛みやシビレを感じる特徴があります。
2.異常感覚
体の神経には主に運動と感覚に関係する2つの機能があります。その感覚に関する神経が体の皮膚にある無数のセンサーから受け取った信号を脳へ伝えるという機能です。
手根管症候群では、圧迫による障害によって、感覚が鈍くなったり、手根管症候群の重度な場合は感覚が無くなってしまうこともあります。
3.シビレ
正中神経が支配領域に感じるシビレも手根管症候群の一つです。
手根管症候群の初期には人差し指、中指にシビレがでて、痛みもでますが、最終的になると親指から薬指の親指側の3本半の指にシビレがでます。
4.親指から薬指にかけての症状
手根管を通る正中神経は、親指から薬指の半分を支配しています。そのため、手根管症候群では、小指に症状が出ないという特徴があり、手の甲側にも症状はでません。
5.症状が軽減または悪化する動作がある
手根管症候群の症状は、手を振ったり、指を曲げ伸ばしすることで軽減します。
電車やバスなどの吊り革をつかむなどの動作は手首を酷使するため症状は悪化します。
6.筋力低下
神経は筋肉を収縮させたり、弛緩させたりと運動の調整をします。しかし、神経が締め付けられている状態になるとその調整機能が低下してしまうことがあります。
手根管症候群では、指先を動かすといった手の細かな動きを調整する神経の一つである「正中神経」が障害されます。
手根官症候群の治療法
手根管症候群は「安静+装具」と「薬物療法」の2つの治療が基本になります。
手根管症候群が軽症の場合は手首の安静や装具固定やステロイド注射などで症状が治まることが多いですが、手根管症候群が重症化した場合には「手術療法」が必要になります。
まずは、必要以上に手を使うのはやめること。原因が手の使い過ぎから引き起こされている場合は、安静を保つことが重要になります。
安静̟+装具
【 手首を使わない 】
手根管症候群になった場合に重要なことは安静です。手首を安静に保つためには、できるだけ「手首を使わないこと」と「動かさないこと」が重要です。家事や育児などされている方や仕事で手首に負荷がかかる方にとって手首を使わない作業はとても難しいことだと思います。
しかし、手首を使わないように心掛けることが重要です。
ふとしたときに、重たいものを持ったりする場面もあるかと思います。手を使う前は一度考えて動いていきましょう。
【 サポーター・装具の使用 】
手根管症候群の症状にも個人差はありますが、手根管症候群になった場合のサポーター使用はサポーターを付けると痛みやシビレが楽になるような感覚でしたら着けても良いと思います。
手首をガードするための装具は非常に心強いものになります。
手根管症候群の症状が強い場合は3ヵ月の間は装具を装着しておいた方がいいでしょう。
※注意点
サポーターに頼り過ぎてしまうと筋肉・靭帯・腱という軟部組織が硬くなっています。この状態で更にサポーターで固定してしまう事でさらに軟部組織を硬くさせてしまう事につながります。
【 アイシングとストレッチ 】
一日学校終わった最後にアイシングをしてあげると手首の炎症を抑えることができます。アイシングでのポイントは氷と水を袋に入れて15分から20分は必ず冷やすことです。
ストレッチに効果的な「グーパー体操」がおすすめです。
ただし、痛みを感じるときは逆効果になるので注意しましょう。痛みがある場合は治まるまで安静にしておきましょう。
その他にもストレッチをいくつかご紹介します。
①腕を伸ばした状態で手のひらを内側に向けて、親指を内側にして拳をにぎります。
その拳を手の小指側に曲げていきます。
※チョップした手を握り垂直に下に曲げるようなイメージです。
②手のひらを上側に向けて、腕は伸ばした状態で手首を曲げて自分側に引っ張っていきます。
引っ張る時には反対の手を使って指から手の甲を持ちます。
③手のひらを上側に向けて、腕は伸ばした状態で指を下にそらしていきます。
引っ張る時には反対の手を使って指から手の甲を持ちます。
そのまま壁に手のひらをつけ、反対の手で腕を上から軽く押すとより効果的です。
アイシングとストレッチでは治療方法では薬を使ったりすることがないため、副作用などの心配はありません。効果を実感できるまでには時間がかかるので焦らずに行っていきましょう。
薬物療法
手根管症候群の初期の痛みの場合は塗り薬・貼り薬・飲み薬などの薬物療法からスタートします。末梢神経を再生し保護してくれるビタミンB12を摂取するとすごく効果的です。
手根管症候群の症状が進んでいって、薬では痛みが取れない場合は「神経障害疼痛治療薬」を使用して神経障害によって発生する痛みを抑えます。
他にも手根管の中に直接ステロイド注射をして、痛みや炎症を和らげる方法もあります。その他にもブロック注射・超音波・レーザー治療なども方法もあります。
手術療法
安静+装具・薬物療法などを使用しても痛みが取れず、手根管症候群の症状が強くなり、指の感覚が無くなってきているのであれば手術療法をすすめられます。手術療法では、正中神経の圧迫を取り除くために手根官側の手のひらにある靭帯を切り開きます。
手術では局所麻酔が使われて約30分ほどで終わります。入院は不要で、靭帯の回復は早いため、身体に大きな問題はありません。手術したあとは握力の低下がみられますが、半年ぐらいで握力は元に戻ります。
別の手術で、内視鏡を使って靭帯を切開する方法もあります。
まとめ
いかがでしょうか?手根管症候群には大きく分けて3つの治療方法があります。
人によって手根管症候群の症状のレベルは異なってくるので効果の変化もさまざまになります。
手術をせずに手根管症候群を改善したいと思われるが多く、当院へお問い合わせを頂くことがありあます。実際に病院から手術を勧められた方が症状が改善し、病院側の手術がなくなった方もたくさんおらえます。
もし、あなたが悩んでおられるのであればお気軽にお問い合わせくださいね。
あなたのお役に立てると思います。