「赤ちゃんが腱鞘炎」と聞くと、違和感がありますよね？子供に出やすいのは、腱鞘炎の中でも「ばね指」といわれる親指の付け根に症状が出るものです。
大人の場合：指を良く使う職業やスポーツをする人に多く見られ、またリウマチや糖尿病などの疾患にも発生します。
親指を曲げるのに使われる腱は、腱鞘というトンネルのようなものを通っています。その関係はベルト（腱）とベルト通し（腱鞘）のようなものです。使い過ぎにより、腱と腱鞘が摩擦を起こし炎症が出てしまっています。
詳しくは過去のブログをご覧くださいね。

腱鞘炎で指に痛みが・・・。

子供の場合

・親指の第一関節が曲がったまま伸びない
・伸ばしてあげると関節が鳴り、離すとばねのように元に戻る
・親指の付け根にしこりがあるがほぼ痛みはない
（痛みがある場合もある）
・ほとんど親指のみに起こり、片手だけの場合と両方に起こる場合がある。

上記に書いていることは子供の指に見られる特徴になります。

子供のばね指は、ほとんど痛みがないとされています。大人と違い、子供のばね指は炎症を起こさない為です。
また、赤ちゃんは指を丸めていたり曲げていることが多いため、すぐには気が付かず1歳くらいで親御さんが発見されます。
子供の場合でも、稀に痛みの出る場合があります。手を触ると、嫌がったり泣き出したりする場合は可能性が高いので、一度確認してみてくださいね。

子供の指をみて「こんな小さな手に治療？」と驚かれる方もいらっしゃると思います。子供の場合はほとんどは自然に治るため、急に手術はせずに、定期的に経過を見ます。子供の症状にも個人差はありますが、1～2年位で改善します。改善しない場合でも、6歳くらいまで経過をみて判断しましょう。

子供に対する治療法は「装具療法」と「手術」があります。
・装具は伸びない親指の関節に沿って、関節を伸ばした状態で固定します。 日中は、子供は嫌がって装具を装着してくれない場合がほとんどです。そういう場合には子供が夜寝ているときだけ、装着してもらいます。( 装具固定は夜寝ているときだけで十分です。)日中は、子供と手遊びのような感覚で、 指の曲げ伸ばしをするのも効果があります。
固定しないと治らないのではないかと、神経質になる必要はありません。

・手術の場合は子供が小さく動いてしまうことがあるため、全身麻酔で行うことが多くなっています。

子供のばね指は、指の曲げ伸ばしができないということで、 親御さんが非常に心配にされます。
大切なのは、子供のばね指に神経質にならずに経過を1～2年ぐらい見てあげて、気長に治療してあげる事です。8割以上の割合で治る、というデータもあります。

子供の指の状態に不安のある場合には、まず専門機関で検査をしてもらいましょう。