「病院で頚椎ヘルニアと診断されたけど、どうしよう…」
「手術のリスクはあるの?」
あなたはこのように思われたことはありませんか?
今回は頚椎ヘルニアで手術に対して不安や疑問がある方に向けて書いています。
頚椎ヘルニアのような、神経痛がある重度の場合は手術をしなければいけない可能性があります。
しかし、「手術」と聞くと、不安や恐怖のイメージを持つ人が多いと思います。手術をして更にひどくなるかもしれないと考えている人もおられます。
頚椎ヘルニアの手術のリスクについて説明させていだたきます。是非参考にしてみてください。
頚椎ヘルニアとは
頚椎ヘルニアの手術のリスクについて説明の前に、頚椎ヘルニアについて知っておきましょう。
頚椎には、脊髄(せきずい)とよばれる神経の組織が通っていて、脳から手や肩に向かって枝分かれしています。
椎間板と呼ばれるクッションのような役割をしている組織が、頚椎の間に存在し、神経が圧迫されないための働きをしています。
これが、何らかの影響で椎間板がこわれて各神経を圧迫することがあります。それを、頚椎ヘルニアと呼びます。
頚椎ヘルニアの手術の効果は?
頚椎ヘルニアの手術で、どのくらいの効果があらわれるかは手術する前のする体の状況によって変わってきます。
手術を行うことによって、手や足の動きは良くなったと実感される方が多いですが、手術前の段階で筋力が弱っている場合は、手術を行っても劇的な効果を実感するのは難しいでしょう。
頚椎ヘルニアは、放っておくと症状が悪化していくので、効果や改善が期待できない場合でも、症状を悪化させない目的として手術を行います。
頚椎ヘルニアの症状でも、筋力が比較的良い場合や年齢が若い場合は、手や足の動きの改善や効果が期待できます。
しかし、比較的状態が良い場合でも頚椎ヘルニアになる前の状態に戻ることは難しく、体に運動制限が表れるケースが多いです。
頚椎ヘルニアの症状が痛みだけ感じる場合、頚椎ヘルニアの手術によって症状が良くなることもありますが、シビレは残る場合が多いです。
頚椎ヘルニアの手術方法とは?
前方除圧固定術
全身麻酔を行った後、首の前方からメスを入れ、脊髄や神経を圧迫している部分の椎間板を取り除く方法です。取り除いた部分にできたスペースには、自分の骨やチタン製のインプラントを移植したり、移植した骨が動かないよう金属製のプレートで固定したりする方法がとられます。
また、手術前から歩行障害などが見られていた場合は、術後のリハビリテーションが数か月ほど必要になることもあります。
後方除圧固定術
後方法は、首の後ろからメスを入れ、症状の原因となっている椎間板には手を付けず、脊髄の周りの空間を確保し、圧迫部分を緩和するという方法です。
術後は1日から数日の安静後、頚椎を固定する装具をつけての歩行訓練を行うのが一般的です。術前のまひの程度や手術方法にもよりますが、概ね2~3週間での退院が可能と言われています。
PLDD:経皮的レーザー椎間板減圧術
PLDDは、頚椎ヘルニアの軽度~中度に有効とされています。
局部麻酔後わずか1㎜の針を刺し、その中にレーザーファイバーを刺し通して、原因となっている椎間板や膨隆部分をレーザー熱によって凝固収縮させる手術です。
PECD:経皮的内視鏡下頚椎椎間板摘出術・前方アプローチ
PECDは、身体への負担も少なく傷口は絆創膏で対応できるので、当日手術して翌日退院することもできるようです。
全身麻酔後、ミリ単位の内視鏡と小鉗子で直接ヘルニア部分を摘出し、レーザー光線で凹凸を凝縮させるという手術です。比較的大きなヘルニアで、骨の変形は目立たないけれど痛みは強いといったケースに適しています。
手術でのリスクは?
頚椎ヘルニアの手術対象が1か所であれば、全身麻酔下では約2時間、ヘルニアが2箇所であれば4時間かかります。その間は動けないので足の血液の流れが悪くなってしまい、血管の中で血液の塊ができる場合があります。
そして、手術後に動こうとした時、その血液の塊が末梢部分から中枢部分へと流れていき、肺の血管につまることで、肺梗塞という合併症が起きてしまう恐れがあります。
この場合、最悪の死亡することも考えられるので、一般的には、2時間以上の全身麻酔での手術はこのような危険があります。
血流が悪くならないように、手術中に足のふくらはぎを自動的にマッサージをすることで予防のために行われていますが、完全に防ぐことはできないと言われています。
他の合併症では、手術によって細菌感染する場合があります。細菌感染になった場合は再手術が必要となります。
手や足が動かなくなる四肢麻痺になるケースもあります。手術中に何らかの力が脊髄に加わってしまうことで、感覚障害が悪化してしまうケースもあります。
また、場合によっては脊髄を損傷してしまい、完全麻痺になっってしまう可能性もあります。
また、脊髄の周囲を包んでいる液体(髄液)が外に漏れ出す、髄液漏(ずいえきろう)という合併症もあります。
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